保守カウンセラーさいとうの「カレーは二日目」

日本を愛するカウンセラーがアニメなどサブカルを交えて心の話を繰り広げる

2014年03月

季節の変わり目になるとニキビができる、こころの保守カウンセラーさいとうでございます。
週に一回くらいの更新になろうかと思いますが、よろしくお願いします。
大阪に拠点を置いて、スカイプやメールでこころの相談を受け付けております。
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さて、ついに、キルラキルが終わりました。

商品の詳細
さすがはグレンラガンのスタッフが作ったアニメだけあって、無茶苦茶熱いアニメでした。
もはや熱いという言葉では生ぬるく、新しい言葉を欲しいくらいです。
ギャグと熱血と理屈と色気が混然一体となって怒涛のスピードと想像の斜め上を常にいく、
先の読めない展開が最高でした。

実はこのキルラキルの中で、非常に大事な事が語られています。
それは、
なんだかよくわからないものです。

物語の序盤から、なんだかよくわからないもので作り上げたコロッケ(なぜかおいしい)を食べるシーンが幾度も登場します。

これが複線として後々効いてくるのです。

崇高な理想を掲げ、練りに練った計画を、強いリーダーシップと統制された組織で、大規模に実施することは一見正しいように思います。
そして目先の欲に目がくらんだ胆略的な行動は間違っているように感じます。

しかし、決してそうではないのです。

前者のような事を実際にやってのけたのは、いわゆる共産主義(計画経済)です。
理想の世界を思い描いて国を作った結果、理想に沿わないものを排除し、多くの犠牲を出し、国は崩壊するという結末を迎えました。
それに対して後者(自由経済)は滅びずに残っています。

物語の終盤で、崇高な理想のため、あらゆるものを利用していた学園の支配者「皐月」は、敵と同じ事をしていることに気づき、なんだかよくわからない連中の力をみとめ、自分のやり方が間違っていたことを反省しました。
崇高でもない理由(時には目先の欲)のために戦う主人公「流子」の強さは「皐月」を上回り、それはなんだかよくわからないものの協力や反応のたまものなのです。
なんだか分からないものにこの世は満ち溢れているからこそ美しい。
そう素直に感じ取れるようになったのです。
だからこそ皆で一致団結することができました。

ここは大変重要なポイントです。

人間の頭で考えた計画は、完璧ではないのです。

なぜなら、人間は完璧ではありません。

この世は、なんだかよくわからないもので満ち溢れています。
カオスそのものです。
ジャングルのなかには、背の高い木やキノコや植物なのか何なのかわからないものが生えて、虫のようなものが居て、目に見えない微生物がうごめき、ウイルスや菌の類がいるかと思いきや、ゾウのような巨大な哺乳類が居て、川には川の魚、海には海の魚が居て、クジラは魚じゃなくて哺乳類だし、マンボーに至っては魚なのに泳ぐのが苦手。
ありとあらゆるなんだかわからないものが、複雑に有機的に絡み合って、この世が成り立っています。

役に立つものだけでこの世はなりたっていません。
一体何の役に立つのか分からないようなものの集まりがこの世です。
役に立っていないようなものが、実は役に立っています。

海苔を消化し、栄養を吸収できるのは、地球上で日本人だけです。
それは、なんだかよくわからない細菌が、何千年も昔から海苔を食べてきた日本人の体内に誕生し、それが今に至るまで日本人の体内に受け継がれてきたからです。

一見意味がなかったり、無駄だったり、なくてもいいようなものが、実は重要な意味を持つこともあるという事です。

なので、

なんだかよくわからないけどうまくいった事というのは、理由が分からずとも、次も試す価値があるのです。


そして、なんだか分からないけど、うまく続いていることは、理由が分からずとも変えてはいけません。
こんな訳のわからないもののカオスの中で、あらゆる淘汰の波を乗り越えてきたからには、人間には分からない絶妙なわけのわからないバランスが働いているのです。
少々理屈に合わないからといって変えてしまうと、うまくいかなくなるどころか、とんでもないしっぺ返しを食らうことがあります。

変える時、それは、うまくいかなくなったときです。
なんでもいいから今までと違う事をやってみるのです。
なんだかわからないものに満ちたこの世だからこそ、何だかわからないものと反応し、何だかわからない力が生まれて、今までとは違う結果になります。

決して、試したけどダメだった事を繰り返さないでください。
うまくいった事、少なくともマイナスにはならなかった事を続けてください。

これが解決思考ブリーフセラピーの基本哲学です。
実に保守的なのです。


ではまた次回




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昨日ストリートフェスタ2014に行ってきたこころの保守カウンセラーさいとうでございます。
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大阪で年に一回日本橋で開催されるストリートフェスタも今年で10回目。
とんでもない数のコスプレイヤーと駐車場を埋め尽くす痛車の数々。
カメラをぶら下げ写真を撮るカメコの方々。
加工1

結構な寒さでございましたが、皆さま頑張っておられました。

この日の為に、仕込みに仕込んだ数々の衣装や小道具。
ポーズや表情の作り方、演出プランが人それぞれで、面白かったです。

好きなキャラへの愛を表現するのに徹する方、いかに人を引き付けるかが勝負な方、
自分の強みを生かす方、目立つ事に命をかける方、意外性をついて表現されるかた・・・等々。
みなさま好きな事に熱中されておられました。

そこに、ひとつ気になる現象を見ました。

複数の人達で表現される方と、ソロで表現される方に分かれることでした。
加工2
加工3

複数の方たちは、他のコスプレ仲間を見かけると話しかけに行ったりして、和気あいあいとしてるのですが、ソロの方はホントに孤高の存在って感じの方が多いように思いました。(もちろん例外もあるとおもいます)

良い悪いは別にして、一つの特色として、シゾイド気質というものがあります。
・周りの状況にあまり関心がなく、人と群れるよりは独りを好む傾向があります。
・友人は少なく、特定の親しい人と付き合うことが多い。
・鈍感性と敏感性を同時に持っており、外からみたら鈍感に感じるが、内面には敏感なものを持っていて、ある特定の事になると敏感に反応します。
・体型の特徴として、細くて平べったい体をしている人が多いです。
・自分のルールや段取り通りに行動するクセがあります。
・食事の際に、三角食い(ご飯を中心におかずやみそ汁などを織り交ぜて全体的に箸をつける食べ方)ではなく、一つのおかずを平らげたら次のおかずへ、という各個撃破型の食べ方をします。
・感情表出があまりなく、冷たい印象を与えることがあります。


これは生まれつき持ってるもので、生後の環境からの影響で個人差はでるのですが、脳がシゾイド脳ですので、この特性ありきの人になります。
なので、無理して人付き合いをしたり、周囲の歩調に合わせると、抑うつ傾向になるのでやめた方がいいです。
自分のやり方、自分のペースで物事に当たり、周囲との関係は、社会生活上害のない程度に抑える。
つまり、ワガママではなく、周囲に対してある程度の壁を作ることで本領を発揮するタイプなのです。

シゾイドの方は、自分自身を維持するための何かを持っていることも多く、芸術系や学問、技術などに強い人もおられます。
今回ストフェスで見かけたソロのコスプレイヤーの方の中にも、シゾイド気質を持ってらっしゃる方がおられたのではないかと思います。(決して珍しいタイプではありません。)

ではまた次回




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腰のダメージが回復に向かうと、肩のダメージが気になりだした、こころの保守カウンセラーさいとうでございます。
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さて、前回BABYMETALについて語りましたが、その際に「ヘドバンVol.2」という雑誌を購入しました。
ヘドバン Vol.2 (シンコー・ミュージックMOOK)

BABYMETAL、メタリカ、カーカス、フラットバッカーなど、私の好物が詰まっていたのですが、その中で意外なものに出会いました。
171ページに、筋肉少女帯のギタリスト「橘高文彦」がフライングVについて語っています。

ここで実に興味深い話が聞けましたので、かいつまんで紹介しようと思います。

彼は実は、中学時代不登校だったそうです。
お受験で合格した中学の校風が合わなかったそうで・・・
当時は医大を出て、医者になると本気で思っていたが、人生の壁にぶつかってしまいました。

そこで彼は、一日中ギターを弾いていたそうです。
それは毎日12時間にも及び、トイレに行くときも弾いており、寝るときと食事の時以外全てギターだったと言います。
だいたい、クラシックのバイオリニストを目指す人は最低一日4時間は練習するものですが、その3倍です。
まあ、学校に行ってなかったからこそ出来る離れ業なわけですが・・・

そのくらい辛くて、閉塞した時期を乗り越えるのに、ギターが必要だったわけです。
逆にいえばギターがなければヤバかった。
ギターに救われたと言っても過言ではありません。

家族会議の末、環境を変えようという話になり、東京に出て兄と二人で暮らすことになったそうです。

そのころに「力強く生きていこう」という思いが芽生え始めると同時に、フライングVと出会った事から、このギターが特別な存在になったそうです。
その特別さというのは普通じゃないレベルで、今まで30枚のアルバムをレコーディングしたその全てがフライングVでレコーディングされたそうです。

不登校の時期に、ギターとロックに救われた経験から、尋常じゃないトラウマと尋常じゃない敬意を持っていると言います。

中学時代の苦しんでいた自分をすごく満足させてやりたい。
自分が何かに挫折したり、前に進めないときに、その時の気持ちに素直に向き合って
「もっとできるだろうなぁ、中2の時の僕が喜ぶ事」って思う。
ライブ終わっても「あの時の僕は喜んでくれたかなぁ」って。
だからね、客席にいつもいるんですよ、そいつ(中2の自分)が。
僕は「もういいじゃん。キャリアがあるからこれで十分じゃない?」っていってるけど
そいつが「もっと聴きたい!もっと頭振ってほしい!」って言ったり。
ぱっと目をあけると僕を応援してくれてるお客さんが、中2の僕を囲んで頭振ってくれてるんですよ。
それを見ると未だに負けられないと思う。


彼の中には中2の自分が居て、満足させてあげたいという思いが、今の自分の頑張りを支えているみたいです。

壁を乗り越えるとき、悔しさをバネにする人や、危険を察知して環境を変える人や、得意な事に没頭する人など多種多様な訳ですが、橘高文彦の場合は没頭するタイプだった訳です。
はたから見れば学校から逃げて家にこもってギターばかり弾いている困った子に見えるかも知れませんが、
これは逃げでも、後ろめたいものでもなく、壁を乗り越える儀式です。

これにより、彼はギターで食っていくスキルとチャンスを得て、しかも自分を高めたり、心を整える為に「中2の自分を喜ばせる」という独自の方法も手に入れました。

もちろん一般的な普通の人生ではない訳です。
自分らしく、自由に生きるためには、覚悟が必要になる場合があります。
彼は、自分は異端であるということを認め、覚悟し、その証が異端のギターフライングVだった訳です。

好きというのはエネルギーです。
しかも周波数のようなものがあって、共鳴現象を起こします。
今まで目にとまらなかったものが目にとまったり、
求めている物が手に入ったり、関係者と出会ったり、応援してくれる人が現れたり・・・
現に橘高文彦は、高校在学中にデビューまでの地図を描いて、マネージメントやレコード会社にアプローチして18歳でプロになっています。

音楽の世界で食っていけるというのはホントにピラミッドの頂点の方たちだけですから、全てがこのとうりというわけにはいきませんが、音楽シーンは頂点だけで成り立っているわけではありません。
裾野の広さがあっての頂点です。
マンガもアニメもそうです。有名な作家だけが存在しているのではなく、無名の同人作家やただ好きなだけの人まで含めてシーンが存在出来るのです。
このシーンなくして頂点は存在できません。
そういう意味では無名の人も含めてシーンに貢献している訳です。
無駄でも挫折でもありません。
貢献と繁栄です。



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腰のダメージが再発して加齢と宇宙を感じてきている、こころの保守カウンセラーさいとうでございます。
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さて、何かに興味を持つ、何かが好き、というのは多くのかたが経験されている事だと思います。
犬とネコどっちが好きかくらいのものから、マンガや映画、音楽、スポーツ、季節、景色、におい、色、食べもの、触った感じ、等々。さまざますぎてキリが有りませんが、なにかしら好みのものはあるわけです。
この、何かが好きというのはエネルギーであって、単なる好きという感情だけのものではありません。
思っている以上に尋常じゃない力を持っています。
たとえ些細な好きであっても、人生を変えるほどの力になる場合もあります。

近頃メタルとアイドルの融合で話題になってるBABYMETALのCDを買ったのですが、完全にメタルの最先端を行っていることに驚きました。

プロデューサーのKOBAMETALはガチのメタル好きらしく、メタラーには分かるオマージュを満載にし、楽曲にもメタルへの愛があふれんばかりに注がれ、過剰なほど練りこまれており、ライブパフォーマンスのクオリティーも凄まじいものがあります。
動画のコメント欄が英語で埋め尽くされている事から、海外での評価も高いことが分かります。

小室哲也プロデュース全盛の頃、メタルは完全に息の根を止められ、世の中から抹殺され、メタルバンドは解散するものが多く、楽曲も過激さが失われていました。
そんな時代を知っていると、このBABYMETALの成功は奇跡に値します。

メタルが好き、アイドルが好きといったところから、ひょっとしたらスゴイものが出来るかもしれないという未来を創造した結果、BABYMETALの誕生につながるという訳です。

少し前まで、オタクとは社会の鼻つまみものでした。
アニメグッズで部屋を満たすなどということは反社会なもので、連続幼女殺害事件などでさらに状況は悪化しておりました。
また、昔はエレキギターを持つという事で、不良のレッテルを貼られました。
バブルの頃は、何かに一生懸命になるという事はダサイと言われました。

しかし、現在の状況はずいぶん変わりました。
映画の興行収入ベスト10でアニメ映画がトップ3を独占し、アニメオタクを公言する芸能人が増え、アニメグッズで満たした部屋を公開し、アイドル好きを堂々と公言し、ボーカロイドを筆頭に音楽を作ってニコ動にアップするミュージシャンが増え、匠や職人などのストイックな方々を尊敬する風潮があります。
ゆるキャラが流行るとか考えもつかなかった事です。

個性的な好きが受け入れられやすい世の中になってきました。
自分が自分でいるために好きなことをするのは、極めて正しいことです。
好きだからやるというのは、何の得にもならない場合も多く、はたから見れば苦労の連続なことも多々あります。
人間椅子というバンドも、何度もやめようと思ったらしいですが、自分たちの好きな音楽をブレずにやり続けることにより、ついにあこがれのオジーオズボーンと同じステージに立つ事ができました。

ももクロの作品やステージでもギターを弾く機会もありました。




好きだから何かに長けている必要はあるかというと、そうではありません。
好きなら、ただ、好きでいいんです。

生きづらさを抱えた方にとって、好きということはひとつの武器です。
何かが好きというのはエネルギーですから使い方を知れば力になります。
力は変化を生みます。

ではまた次回


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さて、前回のghost in the shell 攻殻機動隊の物語の中で、偽の記憶を持つ男が登場しました。

電脳をハッキングされたことにより、存在しない娘を愛している清掃員です。
娘の映っている写真が、犬の写真だということに愕然とするわけですが、
このように、記憶が感情や行動に影響を与えることがあります。

じつは、ハッキングなどしなくとも、現実の世界で偽の記憶を作り出すことが出来ます。
というか、人間の記憶って、とてもいい加減なものなのです。

多くの心理療法が、過去の親子関係に問題の原因があるということで、過去の事を思い出そうとします。
しかし、記憶は自分の主観によって解釈が行われるため、情報が正確ではありません。
忘れていた事が、ふっとしたことで思いだされることはあるのですが、それが本当かどうかはわかりません。
つらい思い出が美化されていたりすることってありますよね。
自分が傷付かないために、無意識に嘘の物語に書きかえられているのです。

御先祖様万々歳というアニメがあります。


とある家庭に突然、未来から孫娘がやってきます。
荒唐無稽なこの設定を孫娘は力説し、ついに家族は信じて受け入れます。
やがて孫娘をめぐって家族は分解。
実際、未来から来た孫娘というのは嘘で、ただの詐欺師だったのですが、
孫娘にこころを奪われた主人公は、さいごまで現実を直視できなくなってしまいました。

このように、嘘の設定を受け入れることにより、現実に弊害がでる場合があります。

恐ろしいのは、アダルトチルドレンの本などを読み、親への怒りを感じておられる状態の時に、過去を振り返るとどうなるかということです。

あれも、これも親のせいだと物語が書きかえられます。
なかった事まであったことになる場合もあります。
出来事は親への憎しみに関連付けされます。
過剰な怒りを生むこととなり、現実を冷静に見ることはできなくなります。

親に不当な扱いを受けていたことに怒りを覚えることは正常なことなのですが、なかった事を作り出したり、関係のない事まで親への怒りに結びつけるのは行き過ぎです。
あくまで記憶は自分の主観に基づいており、あやふやな部分がある事を理解することが大事だとおもう次第です。

ではまた次回



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